八坂神社=やさかじんじゃ(上町)
文治年間(1185~1190年)、征夷大将軍・源頼朝から地頭として常陸南部を領した下河辺政義が、鎌倉時代以前は台地より下は沼地だった龍ケ崎の開拓にあたり、高井(貝原塚町)の農民を移しました。
その際、農民の心の拠り所だった貝原塚八坂神社の分社を、開拓地根町に建立したのが、上町八坂神社の始まりです。
祭神は建速須佐之男命で、水を主宰する国土開発の神であり、農耕・商工運輸交通の道を授け、悪事災難を取り除く守護神といわれています。
天正5年(1577年)、龍ケ崎城主・土岐胤倫は八坂神社を根町の神仏同居の所から分離して八ケ町の町割りの中央である現在の上町に移しました。
その後、龍ケ崎の鎮守として遷宮以来、代々の領主と住民の厚い信仰によって現在に至っています。
境内にあるケヤキは、現在地に遷宮した際に植樹された霊木といわれています。
幹が太くまっすぐで、梢がほうき状に建つ落葉の高木です。
4~5月ごろになると、新芽と同時に薄い黄緑色の小さい花を咲かせます。
現在の地に遷宮された本殿やその他の設営物は、元禄11年(1698年)6月に、腐朽がひどかったために再建されたものの、わずか17年後の正徳5年(1715年)に祝融(火事)に見舞われ炎上しています。
翌年の享保元年(1716年)に再建にあたり、完成したのは享保20年9月で、実に20年の歳月を要しました。
弊殿・拝殿も同時に造営されましたが、後の二構は後年改築されています。
7月下旬に行われる祇園祭は市内最大級のお祭りで、最終日に行われる「撞舞」は、近隣から大勢の見物客でにぎわいます。
なお、明治維新までこの八坂神社は「天王社」と称されていました。
天王とは「牛頭天王」のことで、祇園社の祭神であり、疾病や農作物の害虫などを払う神としてあがめられたものです。
今日でも俗に「天王様」と呼ばれて親しまれています。
問い合わせ先
電話:0297-62-6284
八坂神社HP: