平成27年4月に本校に着任しましてから,何度か保護者の皆さんや地域の方々にお会いする機会があり,北文間小学校に対する熱い思いをお伺いすることができました。
お話を聞く中で,本校は全校児童が66人(平成27年5月1日現在)と小規模ではありますが,地域の象徴とも言える歴史と伝統のある学校ということがわかりました。特に,全校お墓参りがテレビ番組で紹介された,北文間小の母「飯塚古登」については,その思いが今でも地域の方々に大切に引き継がれてきているように感じました。お話をされる方々から,子供を大切にし,地域で見守り育てようという教育に対する熱心さが,ひしひしと伝わってきたからです。
さて,本校のような小規模校のメリットは,「児童ひとりひとりに目が届きやすく,きめ細かな指導が行えること」,「学校行事等において,児童ひとりひとりが活躍する機会を数多く設定できること」,「異学年間の縦の交流がしやすく,児童同士の人間関係が深まりやすいこと」などです。つまり,工夫しだいでは,これからの社会で特に重要な「基礎学力」,「自己表現力」,「他者とつながるコミュニケーション力」を育てやすい学校だと思います。さらに,北文間小の教育環境は,保護者や地域社会の理解や協力に支えられているため,「チーム学校」として,学校,家庭,地域が一体となって教育活動に取り組むことができます。保護者同士の関係も,熱心なPTA活動を通して協力関係が築かれ,さらに深まっています。
私は,このような学校からこそ,大きな夢を持ち,その実現に向かって社会に羽ばたくことのできる「生きる力」や「豊かな人間性」を持った人材が育つと考えます。今年度,学校経営のテーマとして掲げた「夢と感動のある楽しい学校づくり」では,「わかる喜びのある授業づくり」や「心の居場所のある学級経営」,「安全・安心な学習・生活環境づくり」を通して,学校教育目標である「進んで学び,心豊かに生きる児童の育成」を実現させていくことを目指しています。
龍ケ崎市立北文間小学校長
磯部淳