龍ケ崎市指定文化財「矢口家長屋門」の修復を記念して見学会が開催されました。
見学会では、工事を行った岩瀬建築有限会社の代表取締役である岩瀬繁氏に、修復過程で判明した建物の特徴等を中心にわかりやすく説明していただきました。
平成26年12月24日に市指定文化財として指定された矢口家長屋門(やぐちけながやもん)は、平成23年発生の東日本大震災による土台石・礎石部分と上屋のずれや外壁等の一部崩落、経年劣化による板壁の脱落等が見られたため、平成28年度に所有者の自己負担に加え、龍ケ崎市補助金と公益財団法人文化財保護・芸術助成財団による助成金を活用して修復工事が行われました。
修復工事の内容としては、1南東から北西に向かって傾きの見られる建物を水平に戻す、2崩落した土壁や板壁、漆喰の修復、3雨漏りが見られた屋根の修復が主要なものとなりました。
なかでも、大掛かりな工事となったのは、建物の傾きを修正するための基礎工事を行うため、建物の下部に鋼材を取り付け、油圧ジャッキで1メートル以上持ち上げる「揚屋(あげや)」です。これについては、修復工事中に撮影された写真を見ながら岩瀬氏から説明をいただきました。
当日参加された皆さんは、熱心に説明を聞きながら長屋門を見学し、さまざまな質問をされていました。
※矢口家長屋門は、常時公開しておりませんのでご注意ください。
油圧ジャッキで長屋門をリフトアップ
修復後の長屋門
見学会の様子