東日本大震災から、まもなく5年。
多くの教訓を遺したこの震災から、当市は多くのことを学び、そして様々な災害対策に反映してまいりました。
そのひとつに、発災直後の被災地において、ミルクアレルギーの乳児に飲ませるアレルギー用ミルクが入手できない、あるいは特定食材にアレルギーのある方が、アナフィラキシーへの懸念から避難所の食事を食べられないといった教訓をふまえ、当市は、平成25年度より「市が保有する非常災害用備蓄食料の食物アレルギー対応」として、食物アレルギー対応製品(ミルクアレルギー用粉ミルク、アルファ米およびおかゆなど)を積極的に導入してまいりました。
そして今年度(平成27年度)2月には、対応の更なる拡充強化を図るものとして、これまで課題であったアレルギー原因食品の「小麦」を使用しない製品の代わりに、米粉を原材料とするクッキーの導入を開始しました。
これから平成30年度末までに、これまで一部備蓄していた小麦使用製品から、米粉使用製品に入替えを進めるとともに、これまで同様ミルクアレルギー用粉ミルクやアルファ米、おかゆなどの食物アレルギー対応の製品を継続導入することで、当市の非常災害用備蓄食料の計画数量である約44,000食すべて(被災者想定4,900人×3食×3日、一般粉ミルクを除く)を、アレルギー原因食品27品目を使用しない「食物アレルギー対応製品」にします。
茨城県内の市町村では初めて、また全国的にも、ほとんど例のないこの取り組みにより、今後に発生が懸念される首都直下地震などの大規模災害発生時において、例えば保護者の方が、市外の職場などから帰宅困難になり、こどもだけで避難する事態になっても、市保有の備蓄食料であれば、アレルギー症状の有無による飲食可否の食品について判断を誤る心配や、知らずにアレルギー食品を食べてしまい、症状を悪化させるなど、命に関わる危険性を低減させることができるのではないかと考えます。
そして当市は、いわゆる「公助」という観点から、災害という非常時であるからこそ、みんなが心配なく、同じものを遠慮なく食べることができる環境の確保に努めてまいります。
その一方で、市の非常災害用備蓄食料は、あくまで不測の事態に対応する必要最低限の内容・数量を確保するものですので、各家庭や職場などでも、年齢や状況にあわせた食料などの備蓄を引き続きお願いいたします。
静岡県裾野市と連携したオリジナル飲料水を持つまいりゅうと米粉使用クッキーをもつ職員