桂昌寺=けいしょうじ(八代町)
ニュータウン龍ケ岡地区の八代町寄りにある曹洞宗桂昌寺の本堂前脇には、金剛力士立像が2体、安置されています。
口を開けた阿(あ)形像、口を閉じている吽(うん)形像ともに、近世初頭の造形を示す優品です。
金剛力士は仁王ともいい、上半身が裸で裳をつけ、金剛杖を持っています。
もともとは金剛杖の威力を人格化させたもので、仏陀を守護する力士でしたが、仏法を守護し、邪悪を退ける像として、寺門や須弥檀左右に安置されました。
この金剛力士像2体は、もとは八代町の富士浅間神社の仁王門に祀られていました。
この像の体内にあった『寛文十三丑九月吉日富士山二王勧進帳』によると、現在の龍ケ崎市のほかに牛久市域・稲敷市域(旧江戸崎町・新利根町)・阿見町・河内町・美浦村・桜川村から奉加が寄せられ、広範囲に信仰を集めていました。
その後も江戸時代を通して富士神社とこの像に対する信仰は続きましたが、明治の廃仏毀釈の影響でこの像も野に捨てられました。
それを惜しんだ地元の住民(寺崎弥衛門氏)がしばらく自宅に祀っていましたが、後に桂昌寺に移され、現在に至っています。
問い合わせ先
電話:0297-64-5451