金剛院=こんごういん(貝原塚町)
貝原塚八坂神社の北側の小道を抜け、長い石段を登ると、金剛院の境内に出ます。
素朴な寺院に釣り鐘。
昔ながらの寺院らしい風情が漂います。
金剛院には、考古資料として貴重な板碑があります。
弘長4年(1264年)2月に建立された、塔婆形の「下総板碑」(市指定文化財)です。
板碑は亡くなった人々の供養のため、また、生前に死後の冥福を願って、鎌倉時代から室町時代にかけて盛んに造立されたものです。
この碑の表面には、上部に二条線・天蓋・種子・連座偈文と続き、中央の梵字の種子は、阿弥陀如来と脇侍の観世音菩薩と勢至菩薩が刻まれています。
元々の建立場所は不明です。
板碑には、こんな言い伝えがあります。
明治25年(1825年)ごろ、貝原塚南部大井戸付近の水脈(みお)で、この板碑が橋として使用されていたのが発見されました。
当時、この近辺では火の玉が出たり奇怪なことが続いたりしていたので、村人たちはこの板碑によるもの、この石は「化け物石」だと恐れて、現在の金剛院境内に移管したといわれています。
以来、村人たちを悩ませるようなことは起きなくなりました。
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