本市における道の駅整備の経過と方向性
これまでの経過
道の駅整備事業は、平成27年11月に基本構想を策定するなど、事業を進めてきたところです。
しかし、道の駅整備予定地の軟弱地盤等の影響により、平成31年1月から護岸改修工事が中止となっている状態であり、令和4年度は本事業の再検証を進めてきたところです。
再検証では、道の駅整備事業の概算事業費や管理運営の収支見込みなど現時点に再算定し、その結果を公表するとともに、市民の皆さまや関係団体等の意見を把握するため、アンケートや意見交換会を実施してきました。
本市の道の駅整備事業は、市民の皆さまなどからいただいたご意見をはじめ、牛久沼の有効活用、社会情勢、中長期的な財政収支見通し、関係機関との調整など、さまざまな観点から検討してきました。
道の駅整備の方向性(概要)
さまざまな観点から熟慮した結果、物販及び飲食を伴う地域振興施設(機能)を縮小したうえで、「龍ケ崎市の牛久沼」の魅力を内外にアピールするため、牛久沼の水辺・自然・夕陽を活用した「道の駅」を整備します。
本市が整備する道の駅は、これまで「龍ケ崎市道の駅基本計画」に基づき、検討してきました物販及び飲食を伴う施設の整備については一旦立ち止まることとし、道路情報や地域の情報を提供する場としてはもちろんのこと、牛久沼トレイルの拠点として、ドライバーとサイクリストなどの休憩できる場、牛久沼の水辺環境を活用・体験する場、牛久沼の景勝ポイントなどの地域振興機能を有するエリアとします。
整備時期は、本市で行っている大規模事業(新学校給食センター、新保健福祉施設、北竜台地区小中一貫校)などの進捗、財政収支見通し、国・県との調整、環境に配慮した工事などから、令和7年度に護岸工事をスタートさせ、令和10年の開設を目途とします。
なお、判断に至った理由、今後の事業想定などの詳細説明資料(PDF:2,994KB)を公表いたします。
市民の皆様には、事業に対するご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和5年3月24日
龍ケ崎市長 萩原 勇
(参考)令和5年3月24日議会全員協議会での説明資料等
龍ケ崎市道の駅整備事業に関する冒頭説明内容(PDF:450KB)
詳細説明資料(PDF:2,994KB)
方向性の決定における判断理由
道の駅整備に対して、アンケートの集計結果をみると、概算事業費(約25億6,100万円)に対する市の財政負担の大きさと、物販施設及び飲食施設の安定的な運営などの将来への不安や先行きに対するご意見がありました。
【アンケート集計結果の抜粋】【問11】道の駅整備についてどのように感じていますか。
- 道の駅を整備してほしい:304件(17.8%)
- 道の駅は整備してほしいが、機能・施設の内容は十分に検討してほしい:435件(25.4%)
- 必要ない:869件(50.8%)
- どちらともいえない:93件(5.4%)
- 無回答:10件(0.6%)
【アンケート集計結果の抜粋】【問12】道の駅整備について「必要ない」と回答した主な理由
- 費用対経済効果が見込めない。
- 集客を見込めない立地と感じる。
- 取手市に大型商業施設を開発中なのに、今更道の駅など必要ない。など
本アンケート集計結果の詳細は「道の駅整備事業に関するアンケート集計結果」をご確認ください。
当該事業地は、国道6号沿線に位置し、また面前には牛久沼を望み、当市における唯一無二の景観を有する場所です。
アンケートの集計結果をみても、観光資源が豊富とは言い難い当市にあって、多くの可能性を有している牛久沼を活用する期待の声を感じたところです。
【アンケート集計結果の抜粋】【問7】牛久沼の水辺環境を活用したにぎわいづくりは必要だと思いますか。
- 必要:546件(31.9%)
- どちらかというと必要:339件(19.8%)
- どちらともいえない:274件(16.0%)
- どちらかというと必要ない:193件(11.3%)
- 必要ない:346件(20.2%)
- 無回答:13件(0.8%)
【アンケート集計結果の抜粋】【問9】牛久沼のにぎわいづくりのためにあったらよいと思う機能(必要な施設)をお答えください。
- トイレ:774件(66.8%)
- 駐車場:746件(64.4%)
- 牛久沼の景観を楽しめる機能:630件(54.4%)
- その他
本アンケート集計結果の詳細は「道の駅整備事業に関するアンケート集計結果」をご確認ください。
道の駅として整備した場合、当事業は国との一体型整備によるものとなり、国において駐車場やトイレの休憩施設、道路情報などを提供する情報発信施設、安全に出入りできる信号機付きの交差点が整備されます。
さらに、国において『道の駅』として登録され、広く周知されることにより、所期の目的の一つでもあります市の認知度アップに繋がるものと期待できます。
現時点での本市による試算で、整備予定事業費等は当初予定よりも減額となります。(詳細は上記にある説明資料から、ご確認ください)
また、起債や利用可能で有利な補助金などを活用して負担軽減に努めます。
概算事業費
再検証で示した事業費
約25億6,100万円
地域振興施設(機能)を縮小した事業費
約17億5,700万円(約8億400万円減額)
想定される市の実質負担額
再検証で示した事業費
約16億5,600万円
地域振興施設(機能)を縮小した事業費
約12億7,600万円(約3億8,000万円減額)
以上のことなどを総合的に判断し、地域振興施設(機能)を縮小した『道の駅』を整備します。
『道の駅』の登録要件としては「休憩機能」「情報発信機能」に加えて、「地域連携機能」を有していることが基本です。
物販や飲食を伴う地域振興施設を整備しない場合、何らかの地域振興に資する機能、取り組みが必要です。
そこで、自然豊かな牛久沼を感じる牛久沼トレイルの拠点、水上スポーツ体験ができる場づくり、各種イベントの開催などによる地域振興、にぎわいづくりを図ってまいります。
昨今、一般的な道の駅を想像すると、物販・飲食を中心とした施設を想像される中、当市が目指す道の駅には物販・飲食の機能を持つ地域振興施設の整備を行わないことから、そのありように疑問を呈する方はいらっしゃると思います。
しかしながら、現在、当市においては市民生活に直結する大規模事業、新学校給食センターの建設工事が令和5年(2023年)9月の開所を目途に進められ、新保健福祉施設が令和7年度中(2025年度中)の開設及び北竜台地区小中一貫校が令和9年(2027年)9月の開校をそれぞれ目指し、設計等の作業に取り組んでいるところです。
これらにおいても新型コロナウイルス感染症や物価高騰への対応が必要であるとともに、安定した市民生活を確保するための財源は堅持しなければなりません。さらには、市民との意見交換会・アンケート調査などでの民意では、地域振興施設の持続的な収益を危惧する声が多いことなどを総合的に判断し、このような結論に至りました。
また、物販や飲食を伴う地域振興施設の整備では、公設の考え方は白紙とし、民設民営など民間活力の可能性を模索してまいりたいと考えています。
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