種別:建造物
指定年月日:平成18年12月19日
所在地:龍ケ崎市馴馬町2362番地
管理者:来迎院
この多宝塔は、相輪に刻み込まれている銘文によると、弘治2年(1556年)5月吉日に、江戸崎城主の土岐治英がこの塔を修築し、その時、治英の一族・家臣や僧、番匠・鍛治などの職人たちが多数参加したとなっている。このことから、造営時期は、もっとさかのぼると思われる。
塔は三間多宝塔で規模は余り大きくない。初重の四方は中央間に桟唐戸を建て脇間は正面のみ連子窓で他の三方は板壁となり、周囲に縁を廻している。
組物は初重が出組挙鼻附で、二重は四手先になり、いずれも唐様である。
軒は上下とも二重繁捶になる。内部は鏡天井、板床で来迎壁前(現在壁を欠く)に簡単な須弥壇がある。
この建物は、この地方ではほとんど遺構をみない多宝塔形式で、形式上から、又建立年代の古さからも、この地方においては極めて貴重な存在である。特に挙鼻、頭貴鼻、隅木練型など同一意匠になり、初重桟唐戸も改造されているが、背面に当初のものと思われるものが使用されていることは非常に幸いで、よく室町時代の特色を示している。
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